船本眼鏡店   フナモトメガネ      SS級認定眼鏡士夫婦 メガネ大好きブログ


by funamotomegane
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

2009/01/08  枠替え


2009/01/08  枠替え_e0153425_0281331.jpg



正式にはなんというのか、
メガネ店では、メガネのレンズを
別のフレームに入れ替えることを
「枠替え(わくがえ)」と呼びます。

一番多いのは、レンズはまだ使えるのに、
フレームを壊してしまった、というパターン。
これが、皆さんのご想像以上に大変な作業になります。

たとえば、似たような形のフレームがあっても、
どこかに隙が空いてしまうことが多いのです。

さらに、瞳孔間距離や乱視の軸といった、
光学的なデータも再現しなければなりません。

おまけに、価格の問題も重要です。
古いレンズで、予備的にお考えなのに、
高級な輸入品しかぴったり合わないこともあります。

でも、言いかえれば、これが、眼鏡技術者の腕の見せ所。

昨今、加工機械の進歩が目覚ましく、
加工機械を扱えればメガネ屋ができる、
と言われるくらい、いい機械が増えました。

もちろん、そんなことで眼鏡士が務まるものではありません。
光学的、医学的知識を駆使して、
しかも、最後は、やはり、「手仕事」なのです。

お顔に合わせるフィッティングもそうですが、
機械を使わない部分でこそ、眼鏡技術者は、試されます。

この画像のお客様は、
永らくシルエット社のプラスチックフレームを
ご愛用いただいていましたが、
左のリム(輪)が、
ブリッジ(鼻)のところで切れてしまいました。

フレームは9年目、レンズ交換も二度行い、
このレンズは、半年ほどしかお使いではありませんでした。
しかも、遠近両用レンズでしたので、
枠替えの条件は、最高に厳しいものでした。

それでも、幸い、元のメガネが大ぶりでしたので、
緻密な計算と丁寧な手作業で、
無事、ご満足いただける枠替えができました。

軽く自慢が入ってしまいましたが、この仕事は、
本当にメガネ屋らしい、いい仕事ができて、
私も胸の内でガッツポーズでした。

今年もがんばります!(^^)


(H)
by funamotomegane | 2009-04-29 09:25 | フレームのお話